高卒と大卒の給料差はこんなに!高校生でバイトと受験勉強を両立できないなら?

高校生になると、アルバイトをして自分でお金を稼ぎたい人も多いでしょう。親からの小遣いだけでは限界がありますが、自分で稼いだお金で好きな物を買ったり、遊びに行ったりできるのは大きな魅力ですね。
しかし、勉強との両立は本当に可能なのでしょうか?大学進学を目指すなら、勉強時間の確保やモチベーションの維持も必要です。
もし大学に進まず、高卒で就職する場合、早くから収入を得られる反面、将来の収入に影響が出る可能性もあります。
この記事では、高校生のバイトと受験勉強の両立の難しさに加え、高卒・大卒の初任給や生涯年収の差、そして将来にわたるキャリアの選択肢まで詳しく解説します。
・高卒と大卒の給料差
・バイトと勉強の両立の難しさ
・学業に注力することの重要さ
高校生もバイト収入でお金持ち?社会人との違いは?
高校生がバイトで自分で稼げるようになると、急にお金持ちになった気分になるかもしれません。例えば、時給1000円程度で週3日、1日3時間程度働けば、月に3〜4万円ほど稼げる計算になります。これまで親に頼るしかなかった小遣いに比べると大金ですね。
※バイトが禁止や制限されている場合もありますので、学校の規則を確認しましょう。
ただし、高校生のバイト収入は、親が負担している食費などの生活費や住居などの生活基盤があってこそ自由に使えることを忘れてはいけません。
社会人になると、これらの費用を自分で負担する必要があり、収入があっても支出も大きくなるため、意外と自由に使えるお金は限られるのです。
社会経験の価値も
アルバイトは社会経験としても貴重です。学業だけでは身に付きにくい接客マナーや責任感、チームワークを学ぶ機会となり、社会に出てから役立つスキルが身につきます。
社会人として世の中に出るときに、これらのことがアルバイトの経験も生きてくるでしょう。
学業への影響と将来の選択肢に与えるリスク
一方で、アルバイトに時間を取られることで、勉強時間を確保できず、大学進学のための受験勉強に支障が出てしまうこともあります。特に、試験前なのにシフト調整が難しいと、成績が下がることにもつながりかねません。
進学の選択肢に影響が出て後悔する前に、自分の進路の目標をしっかりと考え、学業をおろそかにしないことが重要です。
高卒で就職すると早く稼げるが昇給に限界も?
高卒で就職すると、早い段階で収入を得られるメリットがあります。しかし、大卒と比べると、給与水準や昇給ペースは緩やかな傾向で、生涯年収には大きな差が出る可能性があります。
将来の一人暮らしや結婚、子育て、マイホーム購入などのライフイベントに備え、将来の収入を確保することも重要な要素になります。
高卒と大卒でどれくらい給料が違う?
初任給の違い
高卒と大卒では、初任給にどれくらいの差があるのでしょうか?
次の記事に掲載されている「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)のデータを加工して作成したグラフによると、令和6年時点で、高卒の初任給は月収19万円前後、大卒で25万円程度が目安です。
この数万円の差が積み重なると大きいですよね。
昇給・生涯年収の違い
高卒と大卒とでは、昇給がどのくらい違うのでしょうか?「令和6年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)のデータを加工して作成した次のグラフによると、大企業(1000人以上)のケースでは、男女ともに高校→大学→大学院と学歴が高くなるにつれて、昇給ペースも早くなる傾向が分かります。

「令和6年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)(※2)のデータ(政府統計の総合窓口e-Stat※3に掲載)を加工して作成。
※1:年収は「きまって支給する現金給与額」× 12 + 「年間賞与その他特別給与額」で筆者計算。
※2:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
※3:https://www.e-stat.go.jp/

「令和6年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)(※2)のデータ(政府統計の総合窓口e-Stat※3に掲載)を加工して作成。
※1:年収は「きまって支給する現金給与額」× 12 + 「年間賞与その他特別給与額」で筆者計算。
※2:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
※3:https://www.e-stat.go.jp/
これらの平均年収を累積することで生涯年収を比較すると、高卒者は約2〜3億円、大卒者は3〜4億円と、大きな差が生じる傾向です。
バイトと勉強の両立は難しい
高校生でバイトと勉強を両立することは無理ではありませんが、とても難しいことです。それは、高校の学習内容は中学校とは比較にならないほど膨大な量だからです。
高校生がバイトをしつつ膨大な学習量をこなしていくには、例えば次の課題があります。
- 勉強時間の確保
高校や塾の授業について行くには、日々の予習・復習が欠かせませんが、十分な時間の確保ができるでしょうか?バイトで3時間働く場合でも、身支度や往復、休憩時間なども考えると、それ以上の時間を取られるでしょう。 - モチベーション
バイトで疲れてしまうと、帰宅後に勉強する気力がなくなってしまいかねません。もしくは、バイトが楽しくなり過ぎて、勉強に身が入らなくなるということもあり得ます。
両立は無理ではありませんが、勉強をおろそかにしないための相当な覚悟が必要なのです。
将来の収入とキャリアのために学業を!
高校生でバイトをすることは、社会経験としては将来につながる面もあるでしょう。しかし、バイトは学業に影響を及ば差ない範囲で、ほどほどにすることをお勧めします。
確かにバイトにより収入の面ではゆとりが生まれるかもしれませんが、一時的な収入だけでなく、将来の安定した収入を確保することも重要だからです。
大学に進学して専門的な勉強をすることは、就職の選択肢や昇給やキャリアアップの大きな要素になります。
バイトに夢中になるあまり、受験勉強を後回しにしてしまうと、進学そのものが難しくなります。結果として、就職先の選択肢が狭まってしまうことは避けたいですね。
まとめ
高校生のうちからバイトしてお金を稼ぐことは、確かに魅力的であり、社会経験としても貴重です。しかし、高卒と大卒では、初任給や昇給、生涯年収に大きな差がある傾向もあります。
バイトと勉強を両立させるのは簡単ではなく、学業をおろそかにすると、将来の選択肢や収入面で影響しかねません。目先の収入にとらわれず、勉強時間を確保することが、将来の収入や人生にもつながるでしょう。
とはいえ、個人の価値観や諸事情により、どうしても高校生でバイトを優先せざるを得ないケースもあります。その場合、進学や就職、将来の収入とのバランスも踏まえ、対策を考えておくことをお勧めします。生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、様々な面での見直し方法がありますので、総合的に見直すと良いでしょう。