勉強が苦手な中学生の進路!仕事で給料を稼ぐには?高校→専門学校vs大学進学

勉強が苦手な中学生の進路!仕事で給料を稼ぐには?高校→専門学校vs大学進学

「将来仕事で給料を稼げないかも…。」勉強が苦手で不安を抱える中学生。小学校と比べて学習内容は一段と難しくなり、学校や塾の授業にもついていけない。小学校の勉強の基礎が身についていないと、正直きついものです。おまけに定期テストや模試で順位や偏差値が出てガックリ・・・。不安になるのも無理もありませんね。

他に得意なことや将来なりたい職業もないし、とりあえず普通科の高校に進学しようかな?でも、さらに難しい英語、数学、国語、理科、社会を習うなんて、急に追いつけるとも思えないな・・・。大学に行く意味がわからないまま入って、卒業も就職もできなかったらどうよう?給料を稼げず、生活に困ってしまう!

勉強が苦手な中学生は進路選びをどうすればよいのでしょうか?

この記事はこんな人におすすめ
・勉強が苦手(やる気がない、偏差値が上がらない)
・高校や大学へいく意味がわからない
・得意なこと、やりたいことがない
・将来給料を稼げるのか不安
こんな悩みを持つ中学生や親御さんが、将来の給料や生活を不安視せずに進路を選択するためにおすすめの記事です。
 

学歴別の賃金は?大学vs専門学校

学歴により賃金はどれくらい違うのでしょうか?「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を加工して作成した次の表によると、やはり学歴が高いほど賃金も高い傾向があります。

賃金(男女計、年齢計)
学歴(a) 月間 (千円)(b) 年間 (万円)
高校273.8328.6
専門学校294.2353.0
高専・短大292.5351.0
大学362.8435.4
大学院464.2557.0
「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)(※)を加工して作成
※https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/

・(a)は所定内給与額の平均(残業代など超過労働給与額は含まない)
・(b)は(a)*12/10で筆者計算

中学生の高校選びはまず「普通科vs専門学科」ですが、次の進路を想定すると、上記の表で「大学vs専門学校」の賃金が参考になるでしょう。

  • 高校(普通科)→大学へ進学
  • 高校(専門学科)→専門学校へ進学

一般的には大学へ進学するほうが賃金が高い傾向にありますが、勉強が苦手な中学生でも、とりあえず高校(普通科)へ進学し、大学にまで進学するのが本当に良いのでしょうか?

勉強が苦手な中学生の高校選びは普通科vs専門学科?

「勉強が苦手」にも様々なタイプがあり、タイプに応じて高校を選ぶことをおすすめします。同じ偏差値でも、タイプにより適した高校種別(普通科vs専門学科)や働き方が異なるからです。
ここでは大きく次の2つのタイプに分けて、高校選びの考え方をご紹介します。

  • 主体的で要領が良いタイプ
  • 受け身で要領が悪いタイプ

主体的で要領が良いタイプなら?

今はやる気がなく勉強が苦手でも、とりあえず「高校(普通科)に進学」もありでしょう。何らかのきっかけで目的ができたら、それに向かって勉強も要領良く挽回し、主体的に進路を選択できる可能性があるからです。
例えば、身近な友人や先輩の影響でプログラミングに興味を持ったとすると、次のような選択肢があります。

  1. 普通科の高校に進学して理系を選択
  2. 情報系の大学に進学
  3. IT業界で就職活動
  4. ソフトウェア会社に就職
  5. 主体性と要領の良さが奏功して高給取りに!

目的意識さえあれば主体的に進路を選択し、要領よくこなしていくことでしょう。

重要なのは主体的な生き方ができるかどうかです。高校(普通科)や大学では学業に励むも怠けるも自由であり、目的意識が働かないままだと、結局は次のタイプと同じ対応を取ったほうが良いこともあります。

受け身で要領が悪いタイプなら?

「高校(専門学科)」に進学することををおすすめします。要領が悪いと、大海原の中で主体的に道を切り開いていくことが難しいからです。
もし普通科に進んだらどうでしょうか?バランスよく揃った基礎科目の膨大な学習内容にギブアップ!そんな状況で、将来の職業の選択まで考えられるでしょうか?何となく選んだ偏差値の低い大学に進学し、なりたい職業もはっきりしないまま就職活動にも乗り遅れ…。というのは最悪ですね。

一方、高校(専門学科)に進学すると、早い段階で可能性を閉ざしてしまいそうで心配になるかもしれません。しかし、このタイプは分野をある程度絞り込めていたほうが、具体的な進路の選択肢をイメージしやすく、むしろ自分で選択できる可能性が広がるとも考えられます。例えば次のような進路だとどうでしょうか?

  1. 高校の専門学科(看護学科)に進学
  2. 看護系の専門学校に進学
  3. 看護師国家試験に合格
  4. 学校の推薦枠で病院に看護師として就職
  5. 手に職のおかげで給料は安定

早めに専門分野に絞って実践的な学習をすることで、時間を武器に優位になれるのです。高校の専門学科を卒業後は専門学校に進学し、実習などの実践的なカリキュラムで、学校主導で即戦力が養われます。さらに、専門学校の推薦枠で就職も面倒を見てもらえれば安泰ですね。

では、タイプや進路の選択肢により、将来の家計はどうなるのでしょうか?この記事では、次のシナリオの設定条件でシミュレーションしてみます。

シミュレーション
〜高校普通科vs専門学科、大学vs専門学校で将来は?〜

シナリオの設定条件

  • 現在中学生の男子生徒が、将来結婚して夫となり、次のような家族構成になるものと想定します。
将来の家族条件夫との年齢差
夫(本人)-
夫より3歳年下
将来の第1子夫31歳時に出生
将来の第2子
(ケース1のみ)
夫34歳時に出生
  • 比較条件
比較項目ケース1ケース2ケース3
進路高校普通科普通科専門学科
大学or専門学校大学大学専門学校
就職会社(一般職)会社(一般職)病院(看護師)
給与(※1)400万円(夫22歳-)400万円(夫23-25歳)
300万円(夫26歳-)
330万円(夫22歳-)
退職金1000万円300万円500万円
住居持ち家
頭金1000万円
住宅ローン借入1700万円
親の援助300万円
賃貸(※2)
7万円/月(夫22-60歳)
5万円/月(夫61歳-)
賃貸(※2)
7万円/月(夫22-60歳)
5万円/月(夫61歳-)
生活費水準(夫40-70歳)ケース1より毎月2万円少ないケース1より毎月2万円少ない
将来の子どもの数2人1人1人
※1:年間の可処分所得(夫22歳時点の水準で表示)、変動率はいずれも1%
※2:夫22歳時点の物価水準で表示、変動率はいずれも1%
  • その他の詳細データはこちらを参照。

1. 高校(普通科)→大学進学で成功

ではまず、主体的で要領が良いタイプだとして高校(普通科)→大学と進学するケースについて、シミュレーションしてみます。
友人の影響を受けてプログラミングに興味を持ち、高校時代に改心!将来は大手のIT企業に就職したいと考え、大学入学後も自分でカリキュラムを組み、ソフトウェア開発を専門的に学習。インターンシップにも参加して、就職活動もいち早く始めた結果、希望通りのIT企業に就職。会社でも持ち前の主体性と要領の良さで活躍!
この場合、将来の家計はどうなるでしょうか?

1. 高校(普通科)→大学進学で成功

おおっ、これならマイホームを買い、子ども2人を持っても家計を維持できそうですね。

2. 高校(普通科)→大学進学で失敗

では次に、受け身で要領が悪いにも関わらず、何となく高校(普通科)→大学進学を選んだ場合についてシミュレーションしてみます。
大学に入ってからも何をやりたいのか分からず、就職活動にも乗り遅れてしまったものとします。
やむを得ず、1年留年して就職活動した結果、一般企業に就職できたものの、主体性を求められる一般職の立場はつらく、受け身で働ける職種に転職して安月給で長年働くことに…。

この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

2. 高校(普通科)→大学進学で失敗

なんと、賃貸暮らしで子ども1人、生活水準をケース1より下げたとしても資金ショートしてしまいますね。大学に入りさえすれば高い給料を安定して稼げるとは限らないのです。

3. 高校(専門学科)→専門学校で成功

では最後に、高校(専門学科)→専門学校と進学したケースについて、シミュレーションしてみます。
このケースでは、早くから「看護系」と分野を絞ることで、「どんな看護師になりたいのか?」「どんな病院で、どんな勤務スタイルが良いのか?」を具体的にイメージし、続けられる働き方を選択できたものとします。
この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

3. 高校(専門学科)→専門学校で成功

おおっ、ケース2と同様に生活水準を下げれば、家計を維持できそうですね。仮に勤務先や自己の都合で退職することになっても、看護師なら次の仕事にも困らないでしょう。まさに「手に職」の強みですね。

まとめ

勉強が苦手で将来給料を稼げるか不安であれば、自分のタイプに合った進路を選択することが重要です。タイプとミスマッチの進路では働くこと自体つらく、結局は安定した給料も稼げない可能性があるためです。

専門学校より大学の方が賃金が高い傾向があることから、とりいあえず高校(普通科)→大学に進学しておこうと考えるかもしれません。主体性があり、要領の良いタイプであればそれも良いですが、そうでなければ、高校(専門学科)に進学して早めに専門分野を絞ることも検討してはいかがでしょうか?早くから実践的な教育を受け、就職することで、地道にキャリアを形成できることでしょう。その結果、安定して給料を稼ぎ、安心して生活できるといいですね。

とはいえ、個人の価値観により大学に行くのは当然と考え、とりあえずは普通科の高校に進学することもあるでしょう。その場合、上記シミュレーションのケース2のような状況になって生活に困らないよう、仕事だけでなく、ライフプランと資金計画も重要になります。生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、様々な面で総合的に計画すると良いでしょう。

個人の価値観、収入、資産、家族構成、家庭事情などにより、優先度は異なりますので、ご自身のケースではどうなのか試算してみなければわかりません。ここでご紹介したようなシミュレーションをもとに対策を考えたい方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)というお金の専門家に相談してみることをお勧めします。きっとあなたが気づいていない課題についても掘り起こし、広い視点からアドバイスがもらえることでしょう。

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