中学生の推し活にお金かかる!お金ないなら親に…?

中学生の推し活にお金かかる!お金ないなら親に…?

「えっ、中学生が毎月1万円も推し活に?そんなにお金かかるの?」お金がない中学生がそんな額のお小遣いを親に要求したらどうでしょうか?

親はあきれて「ヨソはヨソ、ウチはウチ!」などと言い、まともに取り合ってもらえないかもしれませんね。

しかし、周りの子たちは推し活にジャンジャンお金をつぎ込んでいる様子。アニメのグッズを買い込んだり、ファンイベントに参加したり…。そんな楽しそうな友人たちを見ると、「自分も輪に入って盛り上がりたい!」とうらやましくなるでしょう。

みんな一体どうやってお金を貯めているのでしょうか?中学生では基本的にバイトできないし、インターネットに出てくる怪しい稼ぎ方も怖い…。

ならば、「小さい頃から親に預けてきたお年玉やお祝いの○万円を使いたい!」と親に願い出ると、また嫌そうな顔をされ…。自分のお金なのに使ってはいけないのでしょうか?

この記事はこんな人におすすめ
・推し活のお金が足りない中学生
・お小遣いアップを親とうまく交渉したい人
・子どもが推し活にお金を使いすぎるのが心配な親御さん

推し活のお金がないなら?

まずはお小遣い計画を立てましょう。現状のペースでは毎月どれだけ入ってきて、いつ・どれだけ使いたいのか、大体の金額を書き出してみるのです。

そうすることで、どれだけお金が足りないのか明確になり、使い道やお小遣いの要求額について具体的に考えやすくなるからです。

お小遣いアップを親と交渉するには?

お小遣いの使い方を計画的に考えていることを親に視覚的に説明することをお勧めします。

単純に「お小遣いアップして!」だけでは親は警戒しますが、次のような不安を取り除くことで、安心して小遣い額を上げやすくなるためです。

  • このまま推し活にのめりこんで、勉強がおろそかにならないだろうか?
  • 大きなお金を使うことに慣れ、金銭感覚が狂ってしまわないか?
  • 将来、自立した大人として家計のやりくりができるだろうか?

親も我が子のことが大事だからこそ心配するのですね。

自分の小遣い計画をグラフなどで視覚的に見せることで、「なんだ、結構しっかりと取捨選択できているじゃないか。」と安心してもらえればしめたものです。親としてもこれは金銭感覚を養うチャンスと考え、小遣いアップを真剣に考えてくれることでしょう。

こんな稼ぎ方には要注意

お小遣いが足りないからと言って、許可も得ずにバイトやインターネットに出てくる怪しい稼ぎ方をしてはいけません。違法行為になりかねないためです。「オトクな話には何か裏があるはず」と慎重になるべきです。

若者の「推し活」意欲は?

親世代にはピンと来ないかもしれませんが、若者はそんなに「推し活」に意欲的なのでしょうか?「令和4年版消費者白書」(消費者庁)からの引用によると、その傾向が分かります。

 (…略…)

 また、消費者に「推し活」への意欲を聞いたところ、「有名人やキャラクター等を応援する活動にお金を使う」に「当てはまる」(「とても当てはまる」又は「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、10歳代後半で42.1%、20歳代で31.8%であり、他の年齢層に比べ高くなっています

 (…略…)

 若者は他の年齢層と比較して、「トキ消費」や「推し活」への意欲が高くなっており、これらの意欲は「集まりやイベントの参加者同士の一体感が大事だ」、「その場・その時しか得られない体験をしたい」といった傾向(第1部第2章第1節(2)参照。)によるものと考えられます。

 (…略…)

出典:「令和4年版消費者白書」(消費者庁、https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2022/white_paper_132.html、2024年4月19日アクセス、太字・黄色マーカーは筆者)

こんなに若者は「推し活」への意欲が旺盛なのですね。「推し活のお金がない!」と言ってお小遣いアップを要求してくるのもうなずけます。

しかし、限られたお金の範囲内で計画的なやりくりを覚えることも大事なことです。これからの人生では取捨選択の連続だからです。

では、計画的な推し活とお小遣いアップによる貯金の見通しをどのように視覚化すれば、親が小遣いアップに応じてくれるのでしょうか?この記事では例として、次のシナリオの設定条件でシミュレーションしてみます。

シミュレーション
〜計画的な推し活とお小遣いアップで貯金は

シナリオの設定条件

  • シミュレーション対象期間
    ある中学生の1年生~3年生
  • この期間の収支
収支項目ケース1ケース2ケース3
小遣い(毎月)中1:2,000円
中2:3,000円
中3:4,000円
お小遣いアップ!
中1:3,000円
中2:4,000円
中3:5,000円
お年玉(毎年)20,000円
推し活費用毎月
中1:10,000円
中2:11,000円
中3:12,000円
計画的に3か月に1度
中1:10,000円
中2:11,000円
中3:12,000円
嗜好品など
(毎月)
中1:1,000円
中2:1,500円
中3:2,000円
交際費
(毎月)
中1:1,000円
中2:1,500円
中3:2,000円
  • 小学校まで貯まっていたお金
    (親に預けていたお年玉や祖父母からのお祝い合計)
    55,000円
  • その他の詳細データはこちらを参照。

1. 推し活(毎月1万以上)

ではまず、毎月1万円以上もジャンジャン推し活につぎ込んだ場合について、シミュレーションしてみます。このケースでは後先考えず、今を楽しむことを優先したのです。すると、中学校3年間の貯金残高はどうなっていくのでしょうか?

1. 推し活(毎月1万以上)
1. 推し活(毎月1万以上)

なんと、小学校時代のお年玉や祖父母のお祝いの貯金もあっという間になくなり、大赤字ですね。中学校を卒業する頃にはマイナス30万円近くもの赤字になってしまいます。無茶な話でした。

2. 推し活(3か月おき1万以上)

さすがにもう少し落ち着いて考え、1万円以上の推し活を3か月に1度の頻度に抑えたケースについて、シミュレーションしてみます。この場合、今後の貯金はどうなるのでしょうか?

2. 推し活(3か月おき1万以上)
2. 推し活(3か月おき1万以上)

おっ、中学2年生ぐらいまでは何とか貯金が持ちそうですね。しかし中学3年でやはりマイナスに転落してしまいます。高校まで何とか持てば、その後はバイトできそうなのに…。あと一歩ですね。

3. 推し活(3か月おき1万以上)&小遣い1000円UP

では最後に、推し活の頻度を3か月に1度に抑えつつ、毎月の小遣いを1000円アップしてもらえたケースについて、シミュレーションしてみます。このケースでは、欲しいグッズやファンイベントを取捨選択し、計画的にやりくりすることを親にアピール!その結果、親の納得を得られたものとします。

この場合、今後の貯金はどうなるでしょうか?

3. 推し活(3か月おき1万以上)&小遣い1000円UP
3. 推し活(3か月おき1万以上)&小遣い1000円UP

おおっ、これなら中学校3年間、何とか貯金がマイナスにならずに済みそうですね。親も際限なく小遣いアップを要求されるのではないかという不安から解放され、安心して1000円アップできたのです。

まとめ

中学生の推し活にお金かかる!お金がない中学生は、まずお小遣い計画をし、自分なりに取捨選択してみましょう。

若者の推し活への意欲は旺盛ですが、親世代にはピンとこないかもしれません。取捨選択しても足りず、お小遣いアップを親と交渉するには、お小遣い計画を視覚化して相談することをお勧めします。親の不安を取り除くことで、安心してお小遣い額を上げやすくなるためです。

また、長い人生においてもやはりマネープランが重要です。中学生のお小遣い計画は、お金をどうやりくりするのか親子で考える良い教材ですね。

ただし、人生のマネープランでは、それほど単純ではありません。人生のライフイベントで必要になるお金は様々であるとともに、生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、総合的な計画が必要になるでしょう。

個人の価値観、収入、資産、家族構成、家庭事情などにより、優先度は異なりますので、ご自身のケースではどうなのか試算してみなければわかりません。ここでご紹介したようなシミュレーションをもとに対策を考えたい方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)というお金の専門家に相談してみることをお勧めします。きっとあなたが気づいていない課題についても掘り起こし、広い視点からアドバイスがもらえることでしょう。

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