大学生の旅行のお金がないなら?いつもは貧乏旅行でも卒業旅行こそ海外に!
「旅行に行きたいけどお金がない!」時間のある大学生は、今こそ旅行に行くチャンスですね。そして学生生活の最後には、思い出に残る卒業旅行にも行きたいものです。社会人になると「お金はあっても時間がない!」らしいし…。
しかし、一人暮らしをしているかや親からの仕送りなどにより、大学生の経済状況は様々です。生活だけで一杯一杯で、とても旅行に行けない貧乏学生もいれば、毎年海外旅行に行ったり、冬に何度もスキー旅行に行く強者も!苦学生の自分にとっては夢のまた夢…。羨ましい限りですね。
ならば、「鈍行電車&カプセル宿泊の貧乏旅行を楽しもうぜ!」と友人に提案してみると、「ヤダよそんなの!せっかくなら温泉付きの宿でご当地グルメも楽しみたい!新幹線でビューっと行きたいよ!」と断られ…。
価値観や金銭感覚は人それぞれで、友人とすり合わせるのも一苦労ですね。苦学生の自分は一体どうすれば旅行を楽しめるのでしょうか?その対処法を探ります。
お金がない大学生が旅行を楽しむための
・マネープランの立て方
・大学生の旅行費用の捻出方法
・大学生がコストを抑えながら旅行を楽しむ方法
お金がない大学生が旅行を楽しむには?
自分の価値観に合った旅行の予算を決め、大学生活全体のマネープランを立てることをお勧めします。お金をかけるところを取捨選択することで、旅行も生活も自分にとってコスト最適化できるからです。
どんな旅行がしたいかや、生活のどこにお金をかけたいかは価値観によるため、友人とは価値観が重ならないところでは無理に合わせる必要はないのです。
大学生のマネープランの立て方
シンプルに次の3段階でマネープランを立てます。
- 収支を把握する
大学生活における収入と支出を書き出してみましょう。いずれも毎月発生する固定部分と、時期により発生する変動部分に分けて整理することがポイントです。それにより分析と対策がしやすくなるからです。
固定部分は一度仕組みを作れば収支の改善に絶大な効果を発揮しますが、変動部分は柔軟な対応が必要です。
区分 | 収入 | 支出 |
固定 | 仕送り 定期バイト 奨学金 | 学費 衣食住 サークル活動費 |
変動 | 臨時バイト 借金 | 娯楽教養費 旅行代 |
- 旅行の予算を決める
どこに行って何をする?移動手段は?回数やシーズンは?など、希望する旅行の条件を設定しましょう。 - 優先度をつける
設定した旅行の条件に対してお金が足りない場合、「収入を増やす」「支出を減らす」が必要になります。この際、先ほどの固定部分、変動部分の各項目に優先度をつけることで、現実的な旅行費用の捻出方法が見えてきます。
では、これらの具体的な方法の例を見てみましょう。
収入を増やす方法の例
- バイトの収入を増やす。
バイトを増やしたり、体力仕事や夜勤などハードなバイトをすることで、たくさん稼ぐことができます。 - 借金する。
奨学金を借りる、親から借りるなどが該当します。また、カードローンや消費者金融も該当しますが、後述の注意が必要です。
これらの借金は短期的には収入に見えても、実際には「将来の返済負担を背負う」ことになります。
支出を減らす方法の例
- 固定費を削減する。
衣食住の生活費の他、教養娯楽費の中でも毎月固定でかかる費用を削減する方法です。一度仕組みを作れば、毎月少しずつでも、年単位で見ると大きな削減効果があります。 - 旅行費用を抑えて楽しむ。
行きたい場所、旅先でやりたいこと、移動手段、宿泊場所を取捨選択することで、旅行費用を抑えることができます。何を選びたいかは人によるため、価値観が合う友人がいれば一緒に行けばいいし、合わないなら一人旅も良いでしょう。
こうして見ると、いろいろな調節の余地があることに気づきますね。
3つの注意点
- 健康第一
働き過ぎたり食費をケチって体調を崩しては元も子もありません。余計な病院代がかかったり、バイトができなくて収入減になりかねないためです。 - 学生の本業は勉強
バイトや旅行の入れ過ぎで、学業がおろそかになってはいけません。留年などすれば、影響は学費にとどまらず、生涯年収にも影響しかねないためです。 - その場しのぎの借金はNG
借金を無計画にするものではありません。借金グセがつき、「貯めれない=返せない」という状況になりかねないためです。カードローンや消費者金融などは学生でも比較的借りやすくても、後で返済が大きな重しになりかねません。特に大学に入学したばかりのうちは、まずは自分で収支を管理できるようにすることが先決です。
学生の旅行費用・回数の実態は?
学生はどのくらい旅行に行き、お金をかけているのでしょうか?
「旅行・観光消費動向調査 2023年(確報)」(観光庁)(※)のデータをもとに作成した次の表によると、「観光・リクリエーション」の目的では、旅行をしなかった人も多数いる一方で、行ったとしても1~2回という人が多いですね。
旅行回数 | 人数 |
しなかった | 5,181 |
1回 | 4,091 |
2回 | 3,135 |
3回 | 1,233 |
4回 | 629 |
5回 | 487 |
6・7回 | 362 |
8・9回 | 132 |
10回以上 | 64 |
「旅行・観光消費動向調査 2023年(確報)」(観光庁)(※)のデータをもとに作成
※https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shohidoko.html
また、同調査によると旅行費用は、宿泊旅行で1人1回あたり約6万5千円、日帰り旅行で約1万8千円となっています。
旅行費用 | 宿泊旅行 | 日帰り旅行 | |
旅行全体 | 64,961 | 17,809 | |
旅行前後 | 8,382 | 2,648 | |
旅行中 | 56,579 | 15,161 | |
旅行中 (内訳) | 参加費 | 9,948 | 719 |
交通費 | 11,590 | 4,403 | |
宿泊費 | 14,284 | … | |
飲食費 | 7,850 | 2,585 | |
買物代 | 6,478 | 3,771 | |
娯楽等サービス費・その他 | 6,430 | 3,683 |
「旅行・観光消費動向調査 2023年(確報)」(観光庁)(※)のデータをもとに作成
※https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shohidoko.html
宿泊旅行となると一気にコストがアップしますね。
皆さんならどのように優先度をつけ、旅行の回数や費用を決めるでしょうか?特に、卒業旅行ぐらい海外に行きたい!という思いがある場合、計画性も重要な要素になります。急に大きなお金を作るのは難しいからです。
そこでこの記事では、次のシナリオの設定条件で、大学4年間のお金のやりくりをシミュレーションしてみます。
シミュレーション
〜お金ない大学生!いつもは貧乏旅行でも、卒業旅行で海外に行ける?〜
シナリオの設定条件
- 対象の大学生の価値観
- 体力に自信があり、貧乏旅行もそれなりに楽しめそう。
- たまには贅沢旅行もしてみたい。
- 卒業旅行で海外は外せない。
- 比較条件
比較条件 | ケース1 | ケース2 | ケース3 |
衣食住 | 10万円/月 | 10万円/月 | 9万7千円/月 (少しずつ節約) |
定期バイト収入 | 2万円/月 | ||
臨時バイト収入(7月、2月) | 3万円 | 4万円 | |
普段の旅行 (8月、3月) (国内泊りがけ) | 8万円/回 (贅沢旅行) | 3万円/回 (貧乏旅行) | |
卒業旅行 (大学4年3月) (海外泊りがけ) | 25万円(1回のみ) |
- その他の詳細データはこちらを参照。
1. 贅沢旅行を続けると
ではまず、贅沢旅行を続けた場合についてシミュレーションしてみます。このケースでは、年に2回、泊りがけの贅沢旅行(温泉&ご当地グルメ付きのホテル、新幹線も活用)をしたのです。この場合、大学4年間のやりくりはどうなるでしょうか?
なんと、大学2年生に入ったころから資金ショートしてしまい、その後も赤字幅が増えてしまいます。このままでは生活は破綻してしまいますね。
かといって、やりくりを身に着けないまま、カードローンや消費者金融に手を出すのは待った!まずは旅行計画や生活を見直しましょう。
2. いつもは貧乏旅行でも卒業旅行のお金ない
では次に、年に2回のいつもの旅行(卒業旅行は除く)は貧乏旅行で楽しむ場合について、シミュレーションしてみます。このケースでは、旅の目的を絞り、鈍行電車やカプセルも活用して、旅行費用をグッと抑えたのです。この場合、大学4年間のやりくりはどうなるでしょうか?
おっ、これなら普段は収支のバランスがとれ、4年間の生活を維持できそうですね。しかし、卒業旅行の費用を捻出することができず、最後に資金ショートしてしまいました。
3. いつもは貧乏旅行&臨時バイト増&節約で卒業旅行
では最後に、計画的なマネープランを立てた場合について、シミュレーションしてみます。このケースでは、長期の休みに臨時バイトを1万円ほど増やし、さらに毎月の衣食住の固定費を3千円ずつカットしたのです。この場合、大学4年間のやりくりはどうなるでしょうか?
おおっ、これなら順調に貯金を積み立てることができ、最後の卒業旅行も満喫できそうですね。特に固定費は、少しの工夫で毎月3千円削減すれば、4年間で絶大な効果を発揮しました。
まとめ
お金がない大学生が旅行を楽しむには、自分の価値観に合った旅行の予算を決め、大学生活全体のマネープランを立てることをお勧めします。お金をかけるところを取捨選択することで、旅行も生活も自分にとってコスト最適化できるからです。どんな旅行がしたいかや、生活のどこにお金をかけたいかは価値観によるため、友人とは価値観が重ならないところでは無理に合わせる必要はないのです。
また、お金が足りないからと言って、マネープランなしに借金することはお勧めしません。「貯めれない人=返せない人」になりかねないからです。
大学生の旅行計画は、いわば人生のマネープランのミニチュア版です。人生で実現したいことや、お金をどう使いたいかは、価値観により様々であり、まさに優先度づけと取捨選択の連続になります。そのためにも、大学生のマネープランを考えることは良い題材であり、失敗しても今後の人生設計ための良い教訓になることでしょう。
とはいえ、個人の価値観や諸事情により、どうしても目先のことを優先せざるを得ないケースもあります。その場合、将来慌てないように厳しく見積もり、対策を考えておくことをお勧めします。生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、様々な面での見直し方法がありますので、総合的に見直すと良いでしょう。