転職で年収下がる20代も?新卒と同じ給料でも将来は年収アップを!

転職で年収下がる20代も?新卒と同じ給料でも将来は年収アップを!

「新卒でミスマッチ!転職したいけど年収下がるかな…?」石の上にも3年と言うので耐えてみたが、やはりこの会社で何十年も働くのはあり得ない!ということもあるでしょう。

しかし第二新卒として転職した結果、年収が下がって後悔はしたくないですよね。せっかく今の会社で合わない仕事でも頑張り、少しは給料アップしたのに、また給料が新卒と同じになってしまうなんて…。20代の青春時代のはずの貴重な3年間を無駄にしたようで嫌!

やはり転職するからには、年収アップを前提としたいところです。でも大したスキルも身についていないし自信がないなぁ。などと転職すべきか悩んでいるうちに年月はどんどん過ぎていく…。

一体どう決断すればよいのでしょうか?

この記事で分かること
・20代の転職で年収はアップ?ダウン?
・目先より将来の年収の家計への影響
・転職で第二新卒の強みの活かし方

20代の転職で年収はアップ?ダウン?

目先の年収は新卒並みにダウンすることもあります。経験も浅い第20代では新卒と同じとみなされるためです。会社側も第二新卒には経験よりポテンシャルを期待するなら自然なことですね。

ただし、転職先の仕事が前職のスキルを直接活かせる内容であったり、ベンチャーや外資系、業界、職種、就業形態などにより、第二新卒でも給料がアップするケースもあります。

目先の年収より重要なのは?

第二新卒で転職する場合、目先の年収よりも、将来的に年収アップできるほうが重要です。これから何十年も働き続けて得られる累積収入に大きな差が出るためです。

以下のシミュレーションのように、長期的に得られる収入が、将来の家計に与える影響は大きなものです。

第二新卒の強みは?

第二新卒の強みは、一度失敗しているので自分の適性の理解が進んでいることです。自分の適性にマッチすることでパフォーマンスを発揮しやすく、やりがいを感じて長く働けることが期待できます。

新卒のときは自分に向いているはずだ!と意気込んで入社したものの、実際にやってみて、これはやはり向いてない…、と気づくことも往々にしてあります。

しかし、第二新卒では自分の見えてきた得手不得手が、新しい仕事を選ぶうえで大きな武器になるのです。

仕事と自分の適性がマッチしていることは重要ですが、20代の転職理由の実態はどうなのでしょうか?次のような興味深いデータがあります。

20代の転職の理由は?

20代の第2新卒世代ではどのような理由で転職する人が多いのでしょうか?

ここでは「令和2年転職者実態調査」(厚生労働省)のデータをもとに作成した次の表より、25~29歳の離職の理由および勤め先を選んだ理由について見てみましょう。

自己都合による離職の理由別転職者割合
(25~29歳、3つまでの複数回答、上位4理由の抜粋)
満足のいく仕事内容でなかったから31.4%
賃金が低かったから31.3%
労働条件(賃金以外)がよくなかったから25.5%
会社の将来に不安を感じたから25.4%
「令和2年転職者実態調査」(厚生労働省)(※)のデータをもとに作成。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r02.html
現在の勤め先を選んだ理由別転職者割合
(25~29歳、3つまでの複数回答、上位4理由の抜粋)
仕事の内容・職種に満足がいくから44.9%
自分の技能・能力が活かせるから32.9%
労働条件(賃金以外)がよいから28.6%
賃金が高いから22.2%
「令和2年転職者実態調査」(厚生労働省)(※)のデータをもとに作成。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r02.html

人生これからという20代は、賃金の理由ばかりでなく、「仕事の内容」を重視している傾向が分かりますね。重要なのは適性と仕事がマッチしていることであり、将来について堅実に考えている人も多いのでしょう。

では、20代の転職でマッチすれば将来の家計はどうなるのでしょうか?ここでは、次のシナリオの設定条件でシミュレーションしてみます。

シミュレーション
〜20代の転職でマッチすれば将来の家計は?〜

シナリオの設定条件

  • 家族条件
家族条件歳(現在)生計から外れる
将来の夫(新卒の本人)23100歳で死亡
将来の妻20100歳で死亡
将来の第1子7年後に誕生23歳で独立
将来の第2子10年後に誕生23歳で独立
本シミュレーションでは将来の妻が23歳で社会人になるまでは将来の夫の収支のみ勘定、それ以降は夫婦の家計を合算。
  • 比較条件
比較条件ケース1ケース2ケース3
転職転職しない転職する(2回)転職する(1回)
給料23-60歳:年収約40059023-25歳:年収約40041023-25歳:年収約400410
26-28歳:年収約810~820万
(高給のベンチャー)
26-60歳:年収約400~850万
(転職先で新卒並みから始まり、安定的に昇給)
29-60歳:年収約380~440万
(さらに転職で収入ダウン)

1. 転職せず心身の疲労に耐え続け

ではまず、転職せずに心身の疲労に耐え続けた場合について、シミュレーションしてみます。このケースでは、新卒でミスマッチしたにもかかわらず、転職の決心がつかなかったのです。結果として思うように給料も上がらない場合、将来の家計はどうなるでしょうか?

1. 転職せず心身の疲労に耐え続け
1. 転職せず心身の疲労に耐え続け

なんと、このシナリオでは50代に資金ショートしてしまいました。

結婚して2人の子どもも持ち、住宅ローン負債まで背負い、このまま仕事に耐え続けるしかない!そう信じて頑張ってきたのに…。

2. 高給のベンチャーに転職で続かず

では次に、「20代でも年収800万以上!」に惹かれてベンチャーに転職したものの、続かなかった場合についてシミュレーションしてみます。このケースでは、勢いのあるベンチャーで働けばやりがいも増すと考えていましたが、あまりのハードな働き方で心身の疲労困ぱいに耐えられなかったのです。

結局また転職して、以前よりも給料ダウン!この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

2. 高給のベンチャーに転職で続かず
2. 高給のベンチャーに転職で続かず

なんと、50代に大幅な資金ショート!やはり第二新卒で目先の給料にとらわれて転職したのは失敗でした。

3. 転職で新卒並みに給料下がるも巻き返し

では最後に、20代の転職で新卒並みに給料ダウンを覚悟して転職した場合について、シミュレーションしてみます。このケースでは、自分の適性を見つめなおし、自分が本当に長く続けられることを重視したのです。おかげで長期的に給料アップすれば、将来の家計はどうなるでしょうか?

3. 転職で新卒並みに給料下がるも巻き返し
3. 転職で新卒並みに給料下がるも巻き返し

おおっ、これなら教育費のピークとなる50代も余裕!2人の子どもたちを大学に行かせ、安心して暮らしていけそうですね。

まとめ

20代の第二新卒で転職する場合、新卒並みの給料にダウンすることもあります。

しかし、目先の年収よりも、将来的に年収アップを期待できることのほうが重要です。これから何十年も働き続けて累積して得られる収入には大きな差が出るためです。

第二新卒であれば、一度失敗しているので自分の適性の理解が進んでおり、マッチしやすいことが強みです。パフォーマンスを発揮し、生き生きと長く働き続けることができれば、結果的に給料もアップ!長期的に家計へのメリットは絶大なものですね。

とはいえ、新卒でミスマッチの仕事はどうしてもかなわない!自分の適性もよく分からないが、今の会社で働き続けるより転職したほうがマシだ!ということもあるでしょう。その場合、転職に失敗し、将来の生活で給料が足りなくて焦らないように、家計を厳しく見積もり、対策を考えておくことをお勧めします。生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、様々な面での見直し方法がありますので、総合的に見直すと良いでしょう。

個人の価値観、収入、資産、家族構成、家庭事情などにより、優先度は異なりますので、ご自身のケースではどうなのか試算してみなければわかりません。ここでご紹介したようなシミュレーションをもとに対策を考えたい方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)というお金の専門家に相談してみることをお勧めします。きっとあなたが気づいていない課題についても掘り起こし、広い視点からアドバイスがもらえることでしょう。

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