残業が減った!こんな給料では生活できないなら?

残業が減った!こんな給料では生活できないなら?

「まさか、こんなに給料が減るとは・・・。」急に残業が減り、給料がそれまでの7割にまで下がってしまったら焦りますよね。入社以来、ずっと忙しい部署に在籍しており、深夜残業もザラ。このまま残業続きのサラリーマン生活が続くものだと思っていた方もいるでしょう。

しかし、働き方改革やコロナ禍もあり、以前のような体力勝負の残業はあまりなくなったのではないでしょうか?また、人事異動などで業務が変わり、急に残業が減ったという方もいるでしょう。「ワークライフバランスっていいなぁ。」などと感じているかもしれません。

しかーし!大変になるのは家計のやりくりのほうです!給料が減ったら生活できないということもありますね。

中でも家計を圧迫しているのが住宅ローン。今後も残業が続くだろうという前提で組んでいたら、苦しくなるのも当然ですね。せっかくのマイホームを売却して手放すほうが良いのでしょうか?それとも、会社の給料以外でカバーする方法はないのでしょうか?

この記事で分かること
・残業を当てにしない資金計画の重要性
・残業が減ったからこそ長期的に収入を増やせるチャンス



残業が禁止もしくは減っても慌てないためには?

そもそも残業代を当てにしない資金計画をすることが重要です。
残業時間はその時の業務状況や体制、業績、所属部署など、様々な要素によって変化する可能性があるためです。

生活残業はNG!残業が減ったらどうする?

ズバリ!副業で副収入を得ることをお勧めします。理由は次のとおりです。

  • せっかく生まれた時間のゆとりを有効活用し、長期的に安定収入を得るもう一つの柱を立てることができるため。
  • 今はIT技術やAIなどに色んな職業が奪われていく時代であり、現在の業務とは異なる分野のスキルもあったほうが、長期的に働き続けるチャンスに恵まれやすいため。

なお、残業規制のギリギリのラインまで、残業代目当てでダラダラと生活残業をするのは良くありません。仕事の効率も悪く、周囲や会社にとって迷惑になるばかりでなく、自分自身のスキルアップにもならないまま時間も浪費してしまいます。

こんな方法は慎重に!

こんな方法も考えられますが、慎重になりましょう。

  • 住宅を売却し、住宅ローンの負担を無くす方法
    仮に一生賃貸で暮らそうと思うと、長期的には家賃が負担になります。もちろんマイホームにも維持費用や税金がかかり続けますが、トータルでどちらが大きな負担になるのか試算することをお勧めします。
  • 投資することで収入を増やす方法
    残業が減り、ただでさえ生活が苦しい中で、どれだけのリスクを許容できるのでしょうか?期待するリターンに対し、背負うリスクが許容範囲なのか試算することをお勧めします。

平均的な残業時間の動向は?

平均的な残業時間にはどのような動向があるのでしょうか?

「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」(厚生労働省)を加工して作成した次の表によると、所定外労働時間は、コロナ前(〜令和元年)から徐々に減少傾向にありましたが、コロナ禍の初期(令和2年)時点でさらにガクンと減り、その後は少し持ち直してきている状況です。

所定外労働時間(令和2年平均=100)
平成27年119.6
平成28年117.8
平成29年119.3
平成30年117.5
令和元年115.1
令和2年100.0
令和3年105.2
令和4年110.0
「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」(厚生労働省)(※)を加工して作成

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/22cr/22cr.html

世の中の傾向だけでもこれだけの波がありますが、さらに個人ごとの状況(部署異動など)も重なると、残業時間は常に変動する可能性があるものと考えたほうが良いでしょう。

もし残業代を当てにした資金計画をしていると、いざ残業が減った時に家計への大きなダメージになってしまいそうですね。そんな場合、どのように対策するのが効果的なのでしょうか?

この記事では、次のシナリオの設定条件で将来の家計をシミュレーションしてみます。


シミュレーション
〜残業減の家計への影響と対策効果は?〜

シナリオの設定条件

  • 家族条件
家族条件歳(現在)生計から外れる
40100歳で死亡
37100歳で死亡
第1子1023歳で独立
第2子723歳で独立
  • 比較条件
ケース1ケース2ケース3ケース4
残業夫60歳まで続く夫42歳以降は減る
対策不要しないマイホーム売却副業
家計安心生活苦老後貧乏安心
  • その他の詳細データはこちらを参照

1. 残業が前提なら余裕

ではまず、このまま長残業のサラリーマン生活が定年まで続くものとした場合について、シミュレーションしてみます。この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

1. 残業が前提なら余裕
1. 残業が前提なら余裕

残業が前提であれば、住宅ローン返済も余裕ですね。家計の面では一生安心して暮らしていけそうです。体調を崩してしまっては元も子もありませんが。

2. 残業が減ったら生活苦

では次に、急に残業が減った場合についてシミュレーションしてみます。この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

2. 残業が減ったら生活苦
2. 残業が減ったら生活苦

住宅ローンの返済負担も大きく、教育費のピークとなる50代を乗り越えることができません。また、老後の70代以降で資金ショートしてしまいますね。こんなに残業が減ってしまうなら、マイホームの購入予算をもっと抑えるべきだったと後悔しても、後の祭りです。

3. マイホーム売却で老後貧乏

では次に、住宅ローンの返済負担を無くすため、マイホームを泣く泣く売却する場合についてシミュレーションしてみます。この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

3. マイホーム売却で老後貧乏
3. マイホーム売却で老後貧乏

マイホームの売却により、とりあえず教育費のピークは乗り越えられそうです。しかし、老後も賃貸の家賃負担がずっと続き、あれだけあった貯金も、あっという間に取り崩し、資金ショートしてしまいます。やはり年金で賃貸暮らしをするには、よほどの資金を準備しておくか、安い賃貸への住替えなどで対応が必要になりそうです。

4. 副業で長期の副収入なら安心

では最後に、残業が減って生まれた時間のゆとりを有効活用し、副業をした場合についてシミュレーションしてみます。人生100年時代、本業とは異なる分野で学び直し、収入の柱を複数持つことも重要だと考えたのです。

この場合、将来の家計はどうなるのでしょうか?

4. 副業で長期の副収入なら安心
4. 副業で長期の副収入なら安心

おおっ、これなら一生安心して暮らしていけそうですね。副業で身につけたスキルが奏功しました。現役中はもちろんのこと、本業を退職後も副業スキルで細く長く働き続けられるのは、家計にとって大きなプラスですね。

そんなに頑張って大丈夫?と思うかもしれませんが、副業は内容や量を自由に調節しやすく、本業とは異なる分野での適度なストレスは逆に良い気分転換になることもあるのです。

まとめ

ずっと続くと思っていた長残業のサラリーマン生活も、世の中の動向や個々の状況により、急に減ることがあり得ます。そのため、不安定な残業代を当てにしない資金計画をすることが重要です。

また、残業が減ってしまったときの対応としては、副業をすることをお勧めします。今まで持てなかった時間のゆとりを有効活用し、長期的に安定的な収入を得るもう一つの柱を立てるチャンスだと捉え、ぜひ前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか?

とはいえ、会社の就業規則等により、どうしても副業をできない場合もあります。その場合、当面はリカレントに注力し、定年までにスキルを身につけてはいかがでしょうか?一方で、家計のやりくりに関しては、生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、様々な面での見直し方法がありますので、総合的に見直すと良いでしょう。

個人の価値観、収入、資産、家族構成、家庭事情などにより、優先度は異なりますので、ご自身のケースではどうなのか試算してみなければわかりません。ここでご紹介したようなシミュレーションをもとに対策を考えたい方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)というお金の専門家に相談してみることをお勧めします。きっとあなたが気づいていない課題についても掘り起こし、広い視点からアドバイスがもらえることでしょう。



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