大学費用が高すぎる!親がお金ないので私立大学や下宿に反対なら?
「私立大学で下宿なんてダメよ!ウチはお金ないんだから。」4年間の大学費用が高すぎて、親が反対ならどうしますか?
自分も都会に出てあの私立大学に通ってみたい!でも、奨学金をたくさん借りてしまうと、将来返していけるかちょっと不安…。中には親がポンとお金を出してくれる友人もいて、羨ましい限りだが、そんな人は限られているはず。
今や、奨学金は当たり前なのでしょうか?そうでなければ、皆さん一体どうしているのでしょうか?この記事では、次のような人にお勧めの対応方法について注意点とともにご紹介します。
・私立大学や下宿の費用が高すぎて、親に反対されている人
・国立vs私立、自宅vs下宿の費用差を埋めたい人
・自分の学びたいことを学べる大学に進学したい人
親がお金ない!私立や下宿に反対ならどうする?
私立大学や下宿を希望しているのに親にお金がない場合、収入を増やすだけでなく、支出を減らす選択をすることをお勧めします。収入を増やす方法には限度がありますが、学費や生活費などの支出は、選択肢により大きな削減効果を期待できるからです。
では、具体的に収入を増やし、支出を減らす方法について、注意点とともに見ていきましょう。
収支の増減方法と注意点
収入を増やす方法
- アルバイトする。
アルバイトの収入を学費や生活費の足しにできたり、社会経験としても意義のあるものですが、やり過ぎには注意が必要です。学生の本業は勉強であり、アルバイトのし過ぎで単位を落としたり、留年してしまっては、元も子もないからです。 - 奨学金を借りる。
貸与型の奨学金は一時しのぎにはなりますが、将来返済しなければなりません。大きな借金を背負っての社会人のマイナススタートは、卒業後の子の家計にも負担になることでしょう。 - 教育ローンを借りる。
親が教育ローンを借りて、将来返すことになるため、こちらも一時しのぎです。お金がない親の場合、将来の親の家計にも負担になることでしょう。
支出を減らす方法
- 同じことを学べそうな国公立大学に進学する。
全国各地の国公立大学では、様々な分野を学べます。どうせ親元を離れるつもりであれば、私立大学や場所にこだわらず、自分が学びたい分野がある大学を探すことをお勧めします。特に理系であれば、私立大学と比べて学費の大きな削減効果を期待できるでしょう。 - 下宿ではなく学寮で生活する。
下宿するには賃貸料金もさることながら、水道光熱費や食費、通学費など、多くの費用がかかります。共同生活で合理化された学寮で生活することで、これらの削減を期待できます。
国立vs私立、自宅vs学寮vs下宿の比較
進路を選択するためにも、大学生の収支を大まかに把握する必要があります。「国立vs私立」、「自宅vs学寮vs下宿」で、一体どれくらい違うのでしょうか?
「令和2年度学生生活調査結果」(日本学生支援機構)のデータをもとに作成した次の表を見てみましょう。この組み合わせの中では、収支ともに「自宅&国立」が最少、「下宿など&私立」が最多です。特に「家庭からの給付」に着目すると、3倍近くも差があるのですね。
区分 | 自宅 | 学寮 | 下宿、アパート、その他 | ||||
国立 | 私立 | 国立 | 私立 | 国立 | 私立 | ||
収入 | 家庭からの給付 | 589,000 | 1,020,400 | 659,800 | 1,414,100 | 1,164,800 | 1,637,100 |
奨学金 | 181,400 | 356,800 | 444,700 | 483,100 | 317,400 | 464,900 | |
アルバイト | 354,000 | 415,900 | 258,300 | 164,400 | 320,800 | 334,600 | |
定職収入・その他 | 29,600 | 36,100 | 77,400 | 46,000 | 50,000 | 60,400 | |
計 | 1,154,000 | 1,829,200 | 1,440,200 | 2,107,600 | 1,853,000 | 2,497,000 | |
支出 | 学費 | 632,900 | 1,312,800 | 477,600 | 1,246,000 | 579,000 | 1,322,700 |
生活費 | 354,200 | 392,000 | 797,300 | 844,600 | 1,142,800 | 1,091,600 | |
計 | 987,100 | 1,704,800 | 1,274,900 | 2,090,600 | 1,721,800 | 2,414,300 |
※https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/2020.html
「地元の国立大学には学びたい分野がない!」「私立で下宿させるほどお金がない!」という場合、「学寮&国立」がねらい目ではないでしょうか?家庭からの給付額は「自宅&国立」の場合と大差ない傾向だからです。親がこれ以上出せないということかもしれませんが、その分、子が奨学金やアルバイトなどで負担するなど、主体性にもつながります。
では、家計を維持していくために、どのようにバランスをとればよいのでしょうか?この記事では、次のシナリオの設定条件で、将来の親の家計をシミュレーションしてみます。
シミュレーション
〜国立vs私立、自宅vs下宿vs学寮により家計は?〜
シナリオの設定条件
- 家族条件
家族条件 | 歳(現在) | 生計から外れる |
夫 | 47 | 100歳で死亡 |
妻 | 44 | 100歳で死亡 |
第1子 | 17 | 23歳で独立 |
第2子 | 14 | 23歳で独立 |
- 比較条件
比較条件 | ケース1 | ケース2 | ケース3 |
大学 | 私立 | 私立 | 国立 |
住居 | 下宿 | 自宅 | 学寮 |
家庭からの給付(親の家計から)(万円/年) | 164 | 102 | 66 |
奨学金+アルバイト(親の家計外)(万円/年) | 78 | 68 | 62 |
- その他の詳細データはこちらを参照。
1. 私立大学&下宿
ではまず、遠方の私立大学に進学し、下宿で一人暮らしをするケースについて、シミュレーションしてみます。この場合、親の家計はどうなるでしょうか?
なんと、教育費ピークを迎える50代で、大幅に資金ショートしてしまいます。かといって、子どもの負担(奨学金+アルバイト)にも限度があり、学生の本業である学業や、子の将来の家計に影響するほど無理もできません。やはり、私立大学&下宿というのは、お金がないと厳しいようですね。
2. 私立大学&自宅
では次に、地元の私立大学に自宅から通うケースについて、シミュレーションしてみます。このケースでは子が遠慮し、自宅から通える範囲の私立大学を選択したのです。この場合、親の家計はどうなるのでしょうか?
ケース1よりはマシですが、この場合も資金ショートしてしまいそうですね。しかも、子が本当に学びたい分野とは多少異なる分野で妥協したことを後悔し、将来の就職や家計にも影響しかねません。そんなことになるなら、簡単には妥協したくないですね。
3. 国立大学&学寮
では最後に、国立大学に進学し、学寮で生活する場合について、シミュレーションしてみます。このケースでは、遠方の国立大学にも自分が学びたい分野があることを発見し、意欲を持って進学したのです。この場合、親の将来の家計はどうなるのでしょうか?
おおっ、これなら親の50代の家計も安心できそうですね。しかも、子は奨学金とバイトで適度に収入を得つつ、学寮でかけがえのない経験もできました。その結果、卒業後の就職や家計にもつながれば何よりですね。
まとめ
私立大学に進学して下宿したくても、親にお金がない場合に、お勧めの対策方法をご紹介しました。
国立vs私立、自宅vs学寮vs下宿などの選択肢により、支出は大きく異なります。私立&下宿を考えていたのであれば、国立大学や学寮を選択することで、支出を大きく削減できます。進学したい私立大学以外にも、学びたい分野を学べるところがないか、遠方の国立大学を含めて探してみてはいかがでしょうか?
とはいえ、自分の学びたい分野を学ぶためには、どうしてもあの私立大学に進学して下宿するしかない!というケースもあります。その場合、奨学金や教育ローンに頼って将来の家計の負担になったり、アルバイトをしすぎて本業の学業がおろそかにならないように、対策を考えておくことをお勧めします。生活費、教育費、働き方、投資、保険、節税など、様々な面での見直し方法がありますので、総合的に見直すと良いでしょう。