我が子も私立中学に行かせられるかも?判断のポイントは?

我が子も私立中学に行かせられるかも?判断のポイントは?

我が子が「私立中学に行きたい!」と言い出したり、仲良しの家庭のあの子から「私立中学を受験するんだ!」などと聞くと、今までその気がなかった家庭でも、気持ちが傾くかもしれませんね。考えるべきことは多いですが、経済面では大丈夫なのでしょうか?

「あの子の親も稼ぎは大して変わらないはずだから、きっと我が家も大丈夫なはず!」なのでしょうか?いえいえ、給料が同じでも、家族構成やお金の使い方は様々ですし、そもそもあの子の家庭が正しく判断しているとは限りません。高校・大学に進学するための教育費や、自分たちの老後資金が足りなくなって焦ることがないように、我が家独自のケースで、長期的な視点で判断が必要です。

では、子どもの進路は最後まで分からないのに、どう判断すればよいのでしょうか?公立中学に行っても多額の塾費用を払うなら、私立中学に行くのとあまり変わらないのでしょうか?

この記事では、教育費の統計データをもとに、私立中学やその後の進学費用を計算し、本当に家計を維持できるか納得して判断する方法をご紹介します。もちろん不確定要素を厳しく見積もる必要がありますが、何もかもMAXの費用で考えていては青天井になってしまいます。不確定要素の中でも、公立or私立、文系or理系、自宅or自宅外通学など、どこを優先し、妥協できるのかポイントを絞り込むことで、中学校のとり得る選択肢が見えてきます。

統計データから見える教育費の恐ろしさ

文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」および株式会社日本政策金融公庫 「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」の統計データをもとに著者が作成した以下の表を見ると恐ろしい教育費の現状が分かります。あまりに高額でビックリするか、もしくはピンとこないかもしれませんが、注目すべきは次の点です。

  • 公立より私立のほうが圧倒的にかかる。
  • 大学に自宅外通学すると跳ね上がる。
  • 大学では文系より理系のほうがかかる。
学習費(万円)公立私立
中学校年間費用53.9143.6
3年間161.6430.9
高校(全日制)年間費用51.3105.4
3年間153.9316.3
文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」をもとに著者作成
学習費(万円)国公立私立
大学(文系)入学費用67.281.8
年間在学費用103.5152.0
4年間481.2689.8
大学(理系)入学費用67.288.8
年間在学費用103.5183.2
4年間481.2821.6
自宅外通学費始める費用38.7
年間費用95.0
4年間418.7
自宅外(文系)4年間899.91108.5
自宅外(理系)4年間899.91240.3
(出所) 株式会社日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」をもとに著者作成

さらに、私立中学を受験するには主に小学校高学年(4〜6年生)で塾に通う費用も必要になります。
どう転んでも良いように備えておきたいところですが、私立・自宅外・理系というMAXのケースに耐えられないとしたら、優先度を付けるしかありません。問題はどこまで何を妥協しなければいけないかですが、この記事では上記の統計データをもとに長期的な資産残高のシミュレーションをすることで判断する例をご紹介します。

シミュレーション

シナリオの設定条件

家族条件歳(現在)生計から外れる
40100歳で死亡
37100歳で死亡
第1子1023歳で自立
第2子723歳で自立
金融資産条件万円年齢
貯蓄残高1500夫40歳時点
住宅ローン負債条件 (固定金利、元利均等)
住宅ローン残債2000(万円)夫40歳時、残20年
金利2(%)全期間固定

その他の詳細データはこちらを参照。

ケース1:私立中、私立高、私立大(理系)自宅外通学

まずはMAX費用の場合でシミュレーションしてみましょう。中学校から大学まですべて私立、理系、さらに自宅外通学(つまり、下宿などして通学)する場合はどうなるでしょうか?

なんと!子どもがまだ在学中に既に金融資産残高はマイナスに転落してしまいます。退職金でようやくプラスに戻ったのもつかの間、老後資金もあっという間に底を尽きてしまい、目も当てられません。子どものためと思って私立中学にお金をかけた結果、その後の進学を制限してしまっては本末転倒ですし、自分たちの老後の相当な厳しさも覚悟しなければこの選択肢は取れません。

ケース2:私立中、私立高、私立大(理系)自宅通学

中学校の選択肢の他に、何か優先度を下げられないでしょうか?もし都市圏に近い地域に住んでおり、大学は自宅から通える範囲内で選ぶと、どうなるでしょうか?

だいぶマシになりましたね。大学で自宅外通学することの影響はそれほど大きかったのです。(今回の試算では子ども二人とも同じ進路を想定しています。一人は下宿OK、もう一人はダメなどと、まだ小学生のうちに決められないですよね。)

さて、だいぶマシにはなりましたが、それでも第2子が在学中に金融資産残高がマイナスに転落、また人生の最終ステージで介護費用が足りずに苦しくなる状況が見えています。
では、他に優先度を下げられるものはないでしょうか?希望の進路に合った高校や大学が国公立で見つかり、入試に受かるとも限りませんので、やはり高校以降は私立に倒れる余地を残しておいたほうが安全でしょう。

ケース3:公立中、私立高、私立大(理系)自宅通学

というわけで、残された選択肢である中学校を公立としてみると、どうなるでしょうか?

これで在学中も老後も金融資産残高を維持できるようになりました。私立中学は淡い期待であり、選択肢にないことがはっきりしましたので、気持ちを切り替えて公立中学への進学準備を進められることでしょう。

まとめ

今回のシミュレーションでは、もともと私立中学を本気で考えていなかった家庭を想定し、教育費に注目して配分を考えてみました。しかし、どうしても私立中学に通わせたい場合には、教育費以外の対策も考える必要があります。生活費、働き方、投資、保険など、様々な面での見直し方法がありますので、総合的に見直すと良いでしょう。

個人の価値観、収入、資産、家族構成、地域事情などにより、教育費のかけ方の適切な選択肢は異なります。ご自身のケースではどうなのか試算してみなければわかりません。ここでご紹介したようなシミュレーションをもとに対策を考えたい方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)というお金の専門家に相談してみることをお勧めします。きっとあなたが気づいていない課題についても掘り起こし、広い視点からアドバイスがもらえることでしょう。

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